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徒然なるままに、日々の事を語ったり語らなかったり。
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 あまりに小説書かなすぎて、何か感覚もマヒしてきました。これは卒業ちょっと前に書いたやつ。本当はあんまり更新する気なかったんだけど、かおに「ゆきが喜ぶよ」って言われたから更新します(笑)でもこれ読んで嬉しいかな~?『狂』なだけあって、病み病みです。ストーリー自体はかなり前から持ってました。相も変わらず稚拙な文章ですが、うちの病んだ部分を見たい方はどうぞ…。ちなみに、結構長いです。

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『狂』

前置きしておくが、それまでの彼は決してそんな人間ではなかった。しかし、ある日を境に、彼は少しずつ生気を失っていったのだ。
 

彼の様子は、一向に回復の兆しを見せない。同じ学校へ2人で通う日々を繰り返していく中、段々と憔悴していく彼の姿を見かねた僕は、ある日、その理由を尋ねた。


 すると彼は隈を濃くした虚ろな目をこちらに向け、ため息混じりに呟くのだった。
 

「夢を見た。ある奴を死ぬほど憎んでいる夢だ。そいつを見付け、地獄の底まで突き落としたくなる。その時の憎悪が忘れられない」と。

 
その感情は、まるで布にインクが滲んでいくように、じわじわと彼を蝕んでいるようだった。


 心当たりは無いかと聞くが、彼は小さく首を横に振るだけだった。

 
「彼女には、相談したの?」
 

僕の問い掛けに、彼はふっと弱々しく微笑んだ。

 
「いや…迷惑かけらんねぇから」

 
彼の視線の先には、恐らく柔らかな笑みを湛えた彼女が映っているのだろう。


  ここまで追い詰められてもなお、彼女をいたわる彼の瞳に、言いようのない彼女への愛おしさが浮かんでいるようだった。そんな彼の様子を見て、僕は少なからず安心した。
 

しかし、そんな勘違いのために、僕は気付くべき彼の“ほつれ”に気付く事が出来なかった。

 
  それから数日後、僕は彼の行き着いた地獄を目の当たりにする事になる。
 

  学校の中で彼女が殺されたのだ。地面の上に四肢を投げ出した彼女は、つやつやと赤黒く光るドレスを身にまとっているようだった。

  直後に吐き気をもよおしたが、それ以上に彼の事が気がかりだった。
 

力なく体を上げ、当て所もなく走っていると、ふいに木陰にたたずんでいる彼を見付けた。

  駆け寄り、肩で荒く息をしている僕の前で、彼は嬉しそうに微笑んでいた。 

「分かったんだ」

彼は小さく呟いたが、その目は既に僕を見てはいなかった。

 
「あの子が…死んだ。殺したのは……君?」

 
恐る恐る問い掛けると、彼は僕が立っている事に今気付いたかのように、ゆっくりと僕と目線を合わせた。

 
「あいつを殺したのは…俺だ」

 
その瞬間、僕の中にあった様々な感情が溢れ出てきた。

 
「そんな…!! じゃあ君が恨んでいたのは彼女で、彼女は君に…!!」

 
「違う」
 

  伝う涙を必死に堪えながら声を荒げる僕を、彼は冷静な声で制した。

 
「俺の…俺の憎悪の中には…俺がいた」

 
彼は、言葉を失ったままの僕の反応を待たずに先を続ける。

 
「俺は……俺が憎くてたまらなかった。自分が1番辛い事は何なのかと、ずっと考えてた。それで…」

 
「それで、彼女を?」
 

 彼は返事をする代わりに、嬉しそうに笑った。

 
「自分の大切なものが消えるって、悲しい事だろう?」

 
  自分を縛り続けていた苦痛から解放された彼は、滑稽なほどに眉をしかめてみせる。


  しかし、僕は何も答える事が出来なかった。彼を罵倒するべきなのか、窘めるべきなのか、それすらも分からなかったのだ。

 
「はは、最高の気分だ!! 俺は俺を地獄に落とした。本当に、最高だ…傑作だよ。そう思うだろう?」
 

  空は、狂おしいほどに澄み渡り、涼やかな風が頬を優しく撫でる。そんな朝の出来事だった。

 

end.


 はい暗いー。(笑)特に起承転結も考えず、ダラダラと書いた結果こうなりました。でも、基本的に得意分野はこっちです。人間の暗部の方が、書いてて楽しいしな!!ぇ

お題配布元:20のお題詰め合わせ


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 学校も落ち着いたので、前から企画してた事(2月3日の記事参照)を実行に移そうと思います!!その名も『一文字漢字で20のお題』!!!大学生活2年間で、あまりに小説を書いてないので、リハビリついでに挑戦します。つっても、小説らしくない短~いやつだけどね。時間が出来た時に、1からちょっとずつやっていこうと思います。興味ある人がいれば、覗いてやって下さい。興味無い方もいらっしゃるでしょうが、そん時はサクっと読み飛ばしてやって下さい。添削して下さる方、感想など募集中です。つー事で、今回は記念すべき第1回目!!!最初のお題は『和』です。小説はリンク先にあります。元がパソコン用のブログなので、見づらい所も多々あるかと思われますが、ご容赦のほど、よろしくお願いします。

『和』 

 よく晴れた、昼下がりの午後。私は暖かい日の当たる縁側に座っていた。

「あー…いい天気だ…」

 小さく呟いてから、大きく深呼吸をしてゆっくり横になると、平日に酷使していた体から、ドッと疲れが流れ出るようだった。

 無意識のうちに目を閉じると、畳と太陽の匂いがふわりと体に入ってくるのがよく分かる。

「おいで」

 ふいに、少し離れた所で詰まらなそうにボール遊びをしていた飼い犬に呼びかけると、犬は自分が呼ばれた事に気付いたのか、丸く大きな瞳を不思議そうにこちらに向け、羽ペンのような尻尾を振りながら歩いてきた。

 トコトコと小さな足取りでやって来た犬は、そのまま私の腕の中に収まり、足を投げ出したまま、横になる。

「気持ちいいねぇ」

 柔らかな毛を撫でながら、私はそっと話し掛けた。犬は半分夢見心地らしく、日の光を受ける体を心地良さそうに動かすと、眠そうな目でこちらを見てくる。

 犬につられ、自分もうとうととしていると、遠くから電車の音が聞こえてきた。

 少し大きくなった後に、また段々と離れていくその音を聞きながら、私は雲一つ無い、晴れ渡った青空を仰いだ。

「明日も、晴れるといいね」

end.

 久しぶりに1人称の小説書いた。『和』の解釈は『和む』にしました。最初だしシンプルに…。言わなくても分かるかも知れないけど、元は自分の体験です。こういう時って、本当に幸せだって思います。

お題配布元:20のお題詰め合わせ


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 『ソレは、白く冷えた箱の中から、恨みがましそうな目つきでこちらを睨んでいた。かつては、その他全てを凌駕していたであろう緑色の体は、今では無数の白い斑点に覆われており、過去の栄光は見る影もない。周囲の者達は、横たわり、濁った汁を垂れ流すソレをこれでもかと言うほどこちらに見せつけるが、今となってはもうどうする事も出来ないこの状況に、私はただ立ち尽くし、それらの責めるような沈黙を受けるしかなかった。』

 ま、要するに、冷蔵庫の中でキュウリが腐りました。あー、久しぶりに小説書きたいなぁ…


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